「同時並行処理が苦手」
「耳障りな音や強い光で不安になる」
「意味もなく他の人と一緒の空間にいるのが苦痛」
日常生活でこんな悩みを抱えていませんか?これらの悩みはHSPの気質によるものかもしれません。
今回は、HSPの苦手なことと5つの対処法を具体例を挙げて紹介します。
- HSPは何を苦手に感じるのか
- HSPが苦手なことに対処する方法
- 自分の苦手なことはHSP気質によるものなのか
HSPの特性を理解して、苦手なことへの対策ができるきっかけになれば嬉しいです。
HSPが苦手なこと「あるある」
HSPが苦手だと感じるのは、どのようなことでしょうか。
①雑談など他愛ない会話
雑談など他愛ない会話が苦手なHSPの方は多いです。
HSPは相手の感情を感じとる能力が高いため、相手に対して常に気を使います。不快にさせない言葉を慎重に選び、顔色を伺い気疲れすることも。
相手の感情に振り回されないように、適切な距離感で会話できるように意識しましょう。
②大勢の人がいる場所
大勢の人がいる場所は刺激が多く、HSPの方には向きません。
周りの人の目線や話し声、香水の匂いなどの多くの刺激を受けます。
そのため、無意識のうちに多くの刺激を受け取り消耗して、自宅に帰った瞬間グッタリ…という方も多いのではないでしょうか。
③人に見られる環境
他の人の気持ちに影響されやすいHSPにとって、人に見られる環境は苦痛に感じます。
通勤電車やオフィス、カフェなどは他の人の視線が気になり、緊張してしまいます。家族や親しい友人からの目線も、状況によっては気になってしまいます。
人に見られない自分だけの時間がもてるような工夫が大切です。
④騒音や匂いなど五感を刺激するもの
HSPは刺激に敏感な特徴があり、五感が鋭く、その感じ方は人によってさまざま。
たとえば、工事の騒音や寝るときの時計の音、強い日差しが苦手だったり、ガソリンの匂いなど特定の匂いが苦手だったり。
鋭い感覚で無意識のうちに察知するため、同じような環境にいても他の人より情報過多で疲れやすいのです。
⑤ペースを乱されること
完璧主義でマイペースな特徴を持つHSPにとって、自分のペースを乱されることは苦痛に感じます。
HSPは、あらゆる情報を深く考察してから行動に移します。
そのため、仕事などで求められるペースが自分と大きく異なると精神的な負担を感じることも。期待に応えようと考えがまとまる前に行動すると、ミスをしてしまう原因になったりして悪循環に陥ることもあります。
⑥マルチタスク
HSPは、1つ1つの問題を順番に解決することを好みます。
そのため、複数の問題を同時に処理するマルチタスクは苦手です。思慮深く、完璧主義の性質から優先順位を決めるのに時間がかかってしまいます。同時に取り組むとパニックを起こし、ミスを繰り返してしまうことも。
家事や仕事では、できるだけシングルタスクに分解して作業すると力を発揮できます。
⑦怖い映画やドラマなどの映像
HSPは、怖い映画やドラマの映像などの、ネガティブ表現に敏感です。
恐怖をあおる作品に苦手意識をもつ方も多いのではないでしょうか。
激しい演出や怯える登場人物の心理描写は、HSPにとって刺激が強すぎるかもしれません。
「苦手」と感じるのはHSPの気質が影響している│4つの性質「DOES」
ここまで読んできて「当てはまる気がするけど、HSPかどうかよくわからない」という人もいるのではないでしょうか。
簡単にセルフチェックできるツールがあるので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
>>【5分でHSP診断】HSP気質か簡単セルフチェック!自分の繊細さがわかる
HSPを提唱したアメリカの心理学者アーロン氏によると、HSPには以下の4つの特徴があります。
- D:思慮深い、深く考えてから行動する(Depth of processing)
- O:刺激に敏感で疲れやすい(Overstimulated)
- E:人の気持ちに振り回されやすく共感力が高い(Emotionally reactiv and Empathy)
- S:鋭い感覚をもち些細なことにも気づく(Sensitivity to Subtleties)
それぞれの頭文字をとって「DOES」と呼ばれています。
HSPは他の人の感情や強い刺激を敏感に受けとり、疲れてしまいます。HSPが苦手を感じる要因には、この4つの特徴が関係しているといえるでしょう。
HSPの特徴についてもっと知りたい方は、こちらの記事も参考にしてくださいね!
>>【徹底解説】HSPとは?特徴・診断方法・発達障害との違いなど【繊細なあなたへ】
敏感なHSPが苦手なことに対処する5つの方法
苦手なことが多いようにも思えるHSPですが、上手に対処すれば生きづらさを感じることなく、むしろ能力を発揮して活躍できることも!
ここではHSPが苦手なことに対処するための方法を5つお伝えします。
①まずは自分の苦手なことは何かを知る
人は、自分のことは意外とわかっていないもの。まずは自分の苦手なことは何かを知りましょう。
苦手な環境や人、ものなどを1つ1つ書き出すことで、自分が苦手としているのはどのような傾向や状況なのかがつかめてきます。
もし、苦手なことがあまり思いつかない場合は、SNSやブログで調べるのも効果的です。
他の人がどんなことに苦手意識をもっているのか知ることで「あぁ、そういえば!」と自分の気づきになることもあります。
HSPは自分のことを後回しにして他の人を優先しがちなので、自分の本音が見えにくくなっている人も少なくありません。
苦手なことと同時に好きなこと、やってみたいことなど、自分の気持ちにフタをせず、思いっきり吐き出してみる機会を設けてみるのも効果的です。
②苦手な人とは物理的に距離を置く
HSPは、他の人の感情を敏感に感じ取り、翻弄されてしまいます。
苦手な人とは物理的に距離を置き、パーソナルスペースを大切にしましょう。
自然体でいられる距離感でコミュニケーションを取れるように意識すると気分が楽になります。
- デスクの端に仕切りをつける
- 荷物を置いて相手と距離をとる
- 1歩下がって距離をとる
- その場を離れる
- 腕を組む
どうしても物理的な距離を置けない場合もあるでしょう。
HSPにとって少しハードルが高くなってしまうかもしれませんが、下記のような対策も効果的です。
- 必要最低限の会話・連絡にとどめる
- 苦手な人が好きな場所・近寄りそうな場所を避ける
- 自分のプライベートな話をしない
- 嫌なものは嫌だと意思表示する
物理的にも心理的にも近すぎるのが苦手なHSP。
③外部からの刺激・情報を減らす
HSPは、大きい音や強い光など外部からの刺激に敏感です。
物理的な対策を取るなど工夫して、できるだけ回避しましょう。
パソコンやスマートフォンからも刺激を受けてしまうため、デジタルデトックスも効果的です。
- ノイズキャンセリングイヤホンを使う
- 電車を避けて、自動車や徒歩で移動する
- リモートワーク
- 強い日差しの日にサングラスをかける
- ブルーライトカット眼鏡をかける
今はいろんなアイテムがあるので、自分に合ったものを見つけて上手に活用するのも一つの方法です。
④一人で落ち着ける場所・時間をつくる
HSPは、周りに人がいるとそれだけで刺激になってしまうことも。
そのため、一人で落ち着ける場所や時間を大切にしましょう。
リフレッシュできると脳内の情報が整理されてスッキリした気分になれます。自分の好きを大切に、頑張った自分を精一杯慰めてあげましょう。
- 好きなカフェや図書館でのんびりする
- 自分の部屋をアロマで好きな香りにする
- 焚火や波、川などの自然の音を聴く
- 読書をする
⑤心をリセットする方法をもつ
頑張って対策しても、落ち込んでしまう状況はどうしても日常の中で訪れますよね。
対策として、自分なりの心をリセットする方法をもちましょう。気分転換のきっかけになる行動であれば何でも大丈夫です。
- 散歩して外の空気に触れる
- 目を閉じて深呼吸する
- 静かな部屋で5分間瞑想する
- 洗顔してスッキリする
- おいしいものを食べる
- ゆっくりお風呂につかる
おいしいものを食べると、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されます。また、お風呂には自律神経を整える効果があります。アロマを焚いていい匂いに包まれれば更にリラックス効果が高まるとも。
少し余力があれば、一人旅にでてみるのもいいかもしれません。
日頃から「これをしたら自分の心が元気になる」というものを少しずつストックしておくといいですね!
まとめ:HSPにとって苦手なものを知って対策│ストレスを減らそう!
ここまで、HSPにとって苦手なもの、そして対処法をいくつか紹介しました。
HSPの方は、共感できる内容も多かったのではないでしょうか。HSPの気質から、過去に辛い思いをした出来事もあったかもしれません。
しかし、苦手なこと、辛いと感じることへの対策を知っていれば、今までよりもラクに生きることができます。
悩んでいる方はまず一つ、紹介した対策を実践することをオススメします。
今回の記事が、少しでもラクに生きられるようになるきっかけになればれば幸いです。