最近、よく耳にする「HSP」。
テレビやネットでは内向的な性格として紹介されることの多いHSPですが、実は外向的なHSP(HSE)というものも存在します。
- HSEってどんな特徴があるの?
- HSPとは何が違うの?
- HSEは病気じゃないの?
- 意味もなく涙が出てくるけど、私ってHSP(HSE)なの?
この記事ではそんな疑問にお答えしていきます。
そもそも「HSP」とは何か解説!
HSPとは「Highly sensitive person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で、簡単に言うと「とても敏感な人」のこと。カリフォルニアの心理学者エイレン・アーロン博士が提唱した概念で、次の4つの気質に当てはまる人を総称してHSPと定義されています。
HSPの特徴については、以下の記事に詳しくまとめています。>>【徹底解説】HSPとは?特徴・診断方法・発達障害との違いなど【繊細なあなたへ】
HSPは『内向型』と『外向型』に分けられる!?
一口にHSPと言っても様々な観点で分類されています。
その1つが『内向型』と『外向型』です。
この内向型HSPのことを単に「HSP」、外向型HSPのことを「HSE」と呼ばれており、内向型・外向型含めた全HSPのうち約30%が外向型HSPと言われています。
内向型・外向型どちらのHSPも人より刺激を受けやすく、情報処理が多い特徴は共通しており、ただ興味の対象や判断基準が自分の内と外、どちらにあるのかが違っています。
HSEとは?HSPとの違い
HSEとは「Highly Sensitive Extroversion(ハイリー・センシティブ・エクストゥロバージョン)」の略でそのまま「外向型HSP」を意味しています。
HSE(外向型HSP)は内向型HSPよりも、人との交流や外部との関わりによって充足感を感じる傾向にあり、HSP特有の繊細さを持ちながら社交的な部分も持ち合わせています。
人との交流によって刺激を受けすぎてしまうため、家に帰ると人一倍疲れたり、感情を処理するために一人涙してしまう人も少なくありません。
HSEの特徴
周囲からはHSPと思われにくいHSE。 内向型HSPとは違い、HSEには次のような特徴が見られます。
- 外側の世界からの新しい刺激も必要
- 信頼する人と話すのが好き
- 他の人たちと協力し合うことが好き
- 初対面の人とも話せる
- リーダーになりやすい
- イベントごとに積極的
- 部下や後輩への気配りがこまめ
- 明るいイメージ
人との関わりに喜びを感じる
内向型HSPとは違い、人と関わることで充足感や喜び、エネルギーを貰えるのがHSEの特徴です。逆に、人との関わりが少ないと気持ちが沈んでしまうことも少なくありません。
その一方で、HSPの特徴である刺激の受けやすさは同じなため、人との関わりによって人一倍傷ついてしまうことも。
リーダーとして率先して行動する
HSEは自分にとって好ましい環境では、やる気や積極性を見せます。そのため、本人の熱意や思いやりが周囲に伝播していき、人を巻き込むリーダーになりやすいといった特徴も見られます。
しかし、気を付けないと刺激過多となって、ストレスが蓄積されてしまう人も少なくありません。
疲れやすい
前述したように、HSEの人は知らず知らずのうちに人を巻き込んで行動してしまいます。そのため、望まない人間関係や多くの情報に触れる機会が多くなり、人一倍疲労してしまうことも。その結果、集まった集団やグループにいること自体に疲れてしまい、一人グループから離脱してしまう人も少なくありません。
内向型HSPの特徴
- 基本的に一人でいたい
- 人に話しかけるのは必要なときだけ
- 雑談や世間話が苦手
- 人と話すと疲れやすい
- 大勢で集まる回や飲み会は嫌い
- 目立ちたくない
- おとなしいイメージ
HSEとは違い、内向型HSPは静かな場所や少人数での環境を大切にする傾向が強いと言われています。
刺激探究型の『HSS型HSE』が存在する!?
実はHSEには『HSS型HSE』というものが存在します。
HSSとは「刺激追求型(High Sensation Seeking)」の頭文字を略したもので好奇心が強く、新しい体験や刺激を求めるタイプを指します。
HSSという言葉自体はエイレン・アーロン博士ではなくマービン・ズッカーマン博士が提唱しました。
HSEとHSS型HSEの違い
HSEとHSS型HSEの違いは”刺激に対してポジティブかどうか”で判断されます。
どちらもHSE特有の人とのつながりやコミュニケーションを重要視する外向的傾向があります。ただHSS型HSEの場合、人との関わりと共に好奇心を発揮し、新しいことに挑戦する際に行動力を発揮するため、「繊細さが伝わりにくい」という悩みも抱えています。
HSEの多くがこのHSS型とも言われています。
『HSE』と『HSS型HSP』の違い
HSEと似た特徴として『HSS型HSP』という分類が存在します。
刺激追求型のHSPのため一見するとHSEと似ていますが、微妙に違う特徴をしています。
HSS型HSPの特徴
- 周囲からは外向的に見られるが、家の中だと内向的になる傾向がある
- 好奇心や興味は外部に向かっているが、HSEのように人と関わる事を重要視しない
- 一人旅など、人との交流に関係なく刺激や新しい体験を求める傾向がある
- 刺激を求めて外に出かけるが、人混みや騒音が気になって疲れてしまう
- 大胆な行動をとるが、小さなミスをずっと引きづってしまう
- やる気満々で新しいことにチャレンジしてもすぐに飽きてしまう
HSEはどうやって判断すればいいの?
自分が『HSP』の中でもHSEかどうかを判断するために、内向型HSPにはない以下の特徴があるかを確認してみましょう。
- 本音を出すのが上手い
- チームワークを必要とする作業が好き
- 人と積極的に関わりたいと思う
- グループのリーダーになることがある
- 必要であれば人前に出ても大丈夫
また、刺激に対してポジティブかネガティブかどうかでHSS型についても判断できます。
より詳しくチェックしたい方は下記のHSP診断を参考にしてみてください。
>>【5分でHSP診断】HSP気質か簡単セルフチェック!自分の繊細さがわかる
HSEで悩まないために…
自分がHSEだからと言って決して不安に思う必要はありません。
HSEは病気などではなく、あくまでその人自身の『気質』です。気質とは、その人が生まれながらに持っている感受性や感情の傾向を指す心の特徴のこと。そのため、環境などに影響される性格や病気とは違って後天的に変えることはできません。
また、HSEは一般的なHSPのイメージとかけ離れているため、内なる悩みと客観的なイメージとのギャップに悩む人も少なくありません。
一人でストレスを抱え込まないためにも、まずは自分の気質や特性を知って上手にHSEと向き合っていきましょう。
まとめ
HSEとは外向的HSPのことです。
外向的であるため、HSE気質の人は人との交流や外部との関わりによって充足感を得ることがあるため、リーダーやまとめ役をすることも多い傾向にあります。
その一方で、HSPとしての繊細さも兼ね備えているため、人との接触が多くなるHSEは内向的HSPと比べて疲れやすくなることも。
このようにHSPとひとくくりにすることなく、様々なHSPが存在することを知り、その特徴についても理解していきましょう。