もしかして私はHSPなのかな?
そう感じてHSPについて調べてみると「HSE」や「HSS」「HSC」などの似たような言葉を目にして混乱することはありませんか?
実は、HSPはその特性から4つに分類されます。
今回は、HSPの中でも「外向的」な要素の強いHSS型HSEに焦点を当てて解説します。
そもそもHSPって?
HSP(Highly Sensitive Person)とは、アメリカのアーロン博士が提唱した、一般の人よりも感受性が高く、外部からの刺激に敏感な人々のことを指します。
HSP(Highly Sensitive Person)について、アーロン博士は以下4つの特徴をもつ人をHSPと定義しました。
HSP主な4つの特徴「DOES」
これらの頭文字をとって「DOES」と呼ばれています。
全人口の5人に1人ともいわれるHSPは、生まれつき感受性が強く、敏感な気質をもっています。
そのため疲れやすく、周囲の環境に振り回されやすく、生きづらさを感じやすい傾向に。
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>>【5分でHSP診断】HSP気質か簡単セルフチェック!自分の繊細さがわかる
HSPについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてね!
>>【徹底解説】HSPとは?特徴・診断方法・発達障害との違いなど【繊細なあなたへ】
HSPには4種類のタイプが存在する
HSPは、内向的で繊細なイメージが強いかもしれませんが、実は外向的な気質をもったHSPが存在します。
その特徴から大きく4つに分類されます。
4種類のタイプに共通している気質は「繊細さ」ですが、「外向的」「刺激追求」という要素が組み合わさることでHSPの気質も異なります。
HSPはアメリカの心理学者アーロン博士、
HSEはジャクリーン・ストリックランド氏、
HSSはマービン博士なんだ。
提唱者が複数で似たような単語が並ぶので、何が何だかわからなくなりそうですが、それぞれの特徴を1つずつ紐解くと違いが見えてきます。
HSS型HSPについてはこちらを参考にしてみてください!
>>【徹底解説】HSS型HSPとは?!刺激を求めるけれど傷つきやすく繊細。生きづらさを解消する方法とは?
外向型HSP「HSE」「HSS型HSE」って?
ここからは、4種類のHSPの中でも「外向型の要素」をもつHSPについて詳しく見ていきましょう。
「HSE」と「HSS型HSE」の違い
HSEとは、Highly Sensitive Extoversionの略。Extoversionは「外向性」の意味で、繊細で外向的な要素をもつHSPを表します。
HSPの約30%を占めるといわれています。
【HSEの特徴】
- コミュニケーションや人とのつながりに喜びを感じる
- 人と会ったり話したりして自分の気持ちを共有したい
- 人と協力して何かをすることが好きなので、チームワークでの作業が得意
- HSS型HSPよりも社交的で人との関わりを好み、大切にする
HSEは人と会うことを好むのですが、基本的な気質はHSPの繊細さ。そのため、人知れず心身ともに疲れやすい傾向があります。
一方、HSS型HSEは、同じく繊細さをもつ「外向型」ですが、刺激を求める気質が加わったタイプです。HSEの多くが、このHSS型であるといわれています。
「HSS型(刺激追求型)」とは、変化や新しいことを好み、刺激を求めて行動をする気質のこと。未知の体験・大胆な行動・非日常を求めるなどが挙げられます。
【HSS型HSEの特徴】
- 好奇心旺盛で行動力がある
- リーダーシップをとるのが上手
- 社交性が高く、周りからの評価も高い
HSEの社交性に加え、外に刺激を求めるアクティブな要素も加わることで、ビジネスの場面では「仕事ができる人」として重宝されることが多いでしょう。
ただし、ベースにあるのはHSPのもつ「繊細さ」。HSS型HSEは外向的でアクティブなため、HSPの中で最も疲れやすい傾向にあるとも言われています。
「HSE」と「HSS型HSP」の違い
HSEもHSS型HSPも同じようにアクティブなイメージがあり、違いが分かりづらいかもしれません。
最も大きな違いは、人との関わり方。
HSE(外向型HSP)は人と関わることが大事な要素です。
それに対してHSS型HSPは、好奇心旺盛で、刺激を求めて衝動的に動きますが、社交的ではないため、人との関わりはあまり重要視しません。
HSEは、内向型HSPのように人との関わりがつらいと感じることはなく、むしろ積極的に人と接することで力を発揮できます。その分、刺激過多になり疲れやすいので1人の時間が必要なのです。
「HSE」「HSS型HSE」の強み・特徴
相手のことを気遣えるHSPの特性がありながら、社交性も持ち合わせているHSE(外向型HSP)は、とても魅力的な人として他の人の目に映っているのではないでしょうか。
- 新しい出会いを求める
- 交友関係が広く周囲から好かれやすい
- 人と関わることが好きで相手に親身になれる
- 外からのエネルギーを受け止められる
共感性の高いHSPの気質に加えて、人を助けたり、人のために何かをしたい気持ちが強いので、親身になって人と関わることができます。
「必要とされている」「誰かの役に立っている」という感覚がモチベーションになり、「ありがとう」といわれることで、外からのエネルギーを受け止め、自分の力に変えることができます。
また、相手の立場になって相手の気持ちを考えながら行動できるので「優しい人」「人がいい」と思われることが多いです。
そのため、人から相談されることも多く、相談役や誰かと誰かをつなぐパイプ役になることも。人との関わりに気持ちが向かうので、イベントの企画や自分の想いを発信するなども得意とします。
HSPの中でも活発で、リーダーシップを取れるのもこのタイプ。内向的なHSPよりも落ち込みにくいですが、外向的で人と接する機会が多いゆえに、他人が気づかないところで傷ついたりして、生きづらさを感じやすいのです。
「HSE」「HSS型HSE」との上手な付き合い方
HSEの長所を活かすには「人との関わりを大切にする」ことがポイントです。
例えば
- 人と会える場所に出向く
- コミュニティに参加する・立ち上げる
- 悩んでいる誰かの相談を積極的に受ける
外向的な要素があるので、人と関わらないことがストレス。気持ちが落ち込んでしまいます。自分から人と関わっていく要素を見つけて飛び込んでいくとよいでしょう。
ただし、あくまでもHSP気質がベースにあります。物事を深く考えすぎてしまったり、外部からの刺激には基本的に強くありません。
一人よりも人と関わり協力することで力を発揮できますが、自分の時間やペースを保てなくなるとバランスを崩してしまいます。
また、人から否定されたり、拒絶されると落ち込みやすい面が出てきます。適度な距離での人付き合いがポイントです。
生きづらさを解消するには刺激の軽減がポイント
外向的ゆえに人との接触が多くなりがちで、どうしても人からの影響を受けてしまいます。
そのため”どんな人に囲まれて生きるか”ということが、HSEの人が自分らしく生きるために大切なポイントです。
友達と仲良くなりたい、話したい、一緒にいたい!
でも、繊細で敏感な面ももっている、そんな自分を理解してくれる人とは一緒にいて居心地がよいはずです。
多すぎる刺激を避け、自分にちょうどよい刺激、適度な刺激を保てるバランスが見つけられるかどうかがカギになるでしょう。
HSS型HSEの仕事探しのコツ
繊細な感性をもちつつ、社交的で人と接することを好むHSEに適した仕事とはどのようなものでしょうか。
HSPの4つのタイプの中でも、リーダーシップを発揮しやすく、人からも好かれやすいHSEは自分の裁量で人を選んだり指示を出したり、人からの依頼を受けたりする仕事が適しているでしょう。
例えば
- 人に寄り添えるものを選ぶ
- 過去の経験を活かす
- 自由に動ける仕事を選ぶ
など、「人の役に立ちたい」「人と関わりたい」という気持ちを活かせる仕事が向いています。
ただし、刺激を求める性質があるため「燃え尽き症候群」のような症状になることも。疲れたら一人の時間を確保できるような自由に動ける仕事を選ぶのがオススメです。
また、過去にどんな経験をしたのかを振り返ってみるのもいいでしょう。自分の成功体験はもとより、逆に嫌だったことを深く掘り下げてみると新たな発見につながり、自分に合った仕事を見つけるヒントになるかもしれません。
HSS型HSEに適した仕事
ここでは、HSS型HSEに向いているといわれる仕事について、簡単な理由と共にご紹介します。
カウンセラー | コミュニケーション能力と共感性を兼ね備えており、相談者に寄り添った対応ができる |
教師 | リーダーシップに優れているため、生徒をけん引する力がある |
医療関係 | 人に寄り添える、人の痛みがわかり、個々に適したケアができる |
接客業 | 刺激を求め、人と接すること、人との交流ができる |
WEBデザイン | 毎回違うデザインで好奇心が満たされる クライアントとの打ち合わせも多く、人との交流もできる |
マッサージ・整体師 | 優れた感覚で患者さんの痛みや違和感を感じ取り、適切な施術が行える |
ルート営業 | 一般的な営業と違い、既存顧客との信頼関係を築きながら働ける。外勤で一人の時間も取りやすい。 |
共感力とコミュニケーション能力の高さを活かした仕事が向いています。
ただし、気づかないうちに疲れやストレスが溜まりやすい傾向にあるので、ある程度自由な要素があると働きやすいでしょう。
例えば、フリーランスであれば疲れた時に1人の時間を確保できます。
刺激を求める気質のままに走っていると擦り減ってしまうので、意識的に休息をとれるような働き方が望ましいでしょう。
HSS型HSEに適さない仕事
逆に、HSS型HSEに向いていないのは、人との関わりが少ない仕事。
HSPに向いているとされるライターやブロガー、プログラミングや動画制作など一人で黙々と作業する仕事は、あまり適していないかもしれません。
とはいえ、積極的にクライアントさんとコミュニケーションをとるなど、自分の気質を理解した上で楽しく仕事ができるように工夫してみるとよいでしょう。
まとめ:自分のことを知って生きづらさを減らそう
HSPの中でも外向的な「HSS型HSE」の特徴について具体的にご紹介してきました。
HSPの基本的な気質である「敏感・繊細さ」「物事を深く考える」面を持ち合わせながら、人と関わることを好む外向的な気質は、相反するようにも見えます。
そのため「生きづらい…」と感じる場面も少なからずあるでしょう。
しかし、HSS型HSEのもつ「優しさ・共感力」は、人間関係を円滑にし、さまざまな場面であなたに感謝している人もきっと多いはずです。
あなたの強みを十分に発揮するためにも、自分がどのような気質を持ち合わせ、どんな特徴をもっているのか、まずはその強み・弱みの両面を理解しましょう。
自己理解を深め、自分を受け入れることで自己肯定感が高まります。