突然、人間関係を清算したい衝動に駆られた経験はありませんか?
「今までの人間関係を断ち切りたい」
「仕事を辞めて引っ越して、新しい環境で生活してみたい」
「衝動的にSNSや連絡先を削除してしまう癖がある」
人間関係リセット症候群は、本来の自分に戻れるメリットもあります。ただし、人間関係の悩みを抱え続けてしまうリスクもあるので、リセットを繰り返してしまうのは良くありません。
そこで今回は、以下について解説します。
- 人間関係をリセットしたくなるHSPの特徴
- 人間関係をリセットするメリット・注意点
- 人間関係をリセットする前に試したいこと
この記事を読めば、人間関係リセット症候群についての理解が深まり、自分の人間関係を見直すきっかけになります。自分にとって人間関係のリセットが必要か、一緒に考えてみましょう。
人間関係リセット症候群とは?
「人間関係リセット症候群」とは、衝動的に人間関係を絶ちたくなり、リセットを繰り返してしまう人を指す言葉です。
「症候群」という言葉から病気のイメージを持つ方がいるかもしれませんが、「人間関係リセット症候群」という病気があるわけではなく、あくまでそうした傾向を持った人を指す造語です。
主に人間関係による疲れや日ごろのストレスによって引き起こされ、よくある例としては以下の行動が挙げられます。
- すべてのSNSを削除する
- LINEをブロックするなどして、人との連絡を断ち切る
- 急に仕事を辞め、繰り返し転職する
- 誰も知らない場所に引っ越す
- すべての連絡手段に返信をせず、音信不通になる
このような経験がある方は、もしかしたら「人間関係リセット症候群」かもしれません。
人間関係をリセットしたくなるHSPの特徴
人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴は、HSPの気質と似ています。ここからは、人間関係リセット症候群になりやすいHSPの特徴を5つ紹介します。
人間関係に疲れている
人と関わると疲れてしまう人は、人間関係リセット症候群になりやすい傾向があります。
現代は学校や職場だけのつながりだけではなく、スマホなどインターネットを通じて四六時中コミュニケーションをとれます。常に誰かとつながっている状態に、ストレスや負担を感じてしまう人もいるでしょう。
特にHSPは人に気を遣って生きているので、常に付きまとう人間関係にストレスをため込みがちです。ストレスが限界に達すると、SNSやLINEを削除し人間関係をリセットしてしまう可能性が高くなります。
自分を演じている
本来の自分を偽り、自分を演じてきた人は、衝動的に人間関係をリセットしやすい傾向があります。
HSPはニーズを察知する力が強いので、例えば以下のように本心を抑え、自分を周りに合わせてしまいます。
- 周囲の人がもとめる「いい子」の自分
- 人に好かれるための明るく社交的なキャラ
しかし、限界を超えると「本来の自分に戻ってやり直したい」気持ちが強くなり、人間関係のリセットに走ってしまいます。
ネガティブで自己肯定感が低い
HSPには、あまり自分に自信がなく自己肯定感が低い人がみられます。そしてネガティブな気持ちに陥ると、自己防衛のために人間関係をリセットしてしまう場合があります。
気分が落ち込んでいるときは、ささいな出来事で「嫌われたかも…」「もうダメだ…」と自分に自信がなくなってしまいますよね。
これ以上自分が傷つくのを防ぐために、突然恋人に別れを切り出し何の前触れもなく連絡が取れなくなってしまう可能性があります。
完璧主義な人
なんでも頑張りすぎてしまう真面目で完璧主義な人も、人間関係リセット症候群に陥りやすい傾向があります。完璧を目指していても、実際はすべてがうまくいくわけではないので、理想と現実のギャップに苦しむ場面がありますよね。
例えば、
- 仕事でミスしてしまった
- 理想通りの人間関係を築けなかった
そんなとき完璧主義なHSPは、うまくやれない自分を気に病んでしまいがち。人に頼り弱みを見せて相談するのも苦手です。
そして新しい環境で一から完璧な自分を作り直すために、転職などで人間関係のリセットを繰り返してしまいます。
1人が好き
1人になるのに抵抗がない人ほど、人間関係リセット症候群を引き起こしやすくなります。
マイペースな行動を好み、1人でいるほうが気楽でいいと思っている人はリセットを躊躇しません。これは特に転職や引っ越しなど環境の変化さえ楽しめるHSS型HSPに多いのではないでしょうか。
また、人付き合いが面倒だと思っていたり過去に心の傷を負っている場合も、人と深く関わるのを避けるようにリセットしてしまいます。
>>【徹底解説】HSPとは?特徴・診断方法・発達障害との違いなど【繊細なあなたへ】
人間関係をリセットするメリット
このようにHSPは人間関係リセット症候群に陥りやすいですが、人間関係をリセットすると状況がよくなるケースもあります。
新しい人間関係を築ける
人間関係のリセットは、新たな「より良い」人間関係を築ける機会です。苦手な人と一緒にいる必要がなくなり、本当に気の合う人と出会えるチャンスを手に入れられます。
もちろん衝動的にリセットするのは避けるべきですが、たとえば職場の人間関係をリセットして、心機一転して環境をがらっと変えることで良い出会いがあるかもしれません。
新しい交友関係を広げる中で、自分が大切にしたい人を選べますよ。
本来の自分を取り戻せる
人間関係のリセットは、ありのままの自分を見つめ直すきっかけとなります。
自分を偽るのを止めた人は、抑圧していた自分が解放され本音が見えてきます。
- 自分は何が好きだったのか
- 自分は何がしたかったのか
- どんな人なら一緒にいて楽なのか
新しい環境では本当の自分でいられるようにしたいですね。
心や時間にゆとりができる
人間関係をリセットすると、精神的にゆとりが生まれ自分の自由な時間も増えます。
人付き合いに負担を感じていた人は、心がホッと楽になるのを感じられるでしょう。
HSPはもともと、1人でいる時間にエネルギーを充電する傾向にあります。他人と関わる時間が減る分、1人でいる時間を充実させられることで、心の充足につながるのです。
人間関係リセットの注意点
衝動的なリセットは避ける
リセットの衝動に駆られて、すべての連絡先を消去するのは避けましょう。
一時の感情で人間関係を全部リセットしてしまうと、自分を大切に思ってくれている人の連絡先も同時に消してしまう事態になりかねません。
家族、親友、恋人、尊敬する先生や上司など。まず一呼吸おいて、今後も大切にしたい人たちがいないか考えてみましょう。
連絡を取りたいと思えない人の連絡先は消してもいいですが、自分が信頼している人とは何かあったときにつながれる状態にしておきましょう。
リセットを繰り返さないようにする
「何かあったらすぐリセットすればいい」とリセットを習慣化してしまうのは良くありません。
リセットを繰り返す人は、ずっと同じような人間関係の悩みを抱え、他人との信頼関係を築きにくくなります。
リセットをした後には自分のあり方の見直しが大切です。自分は何が嫌で人間関係をリセットしていたかを忘れずに、同じ過ちは繰り返さないようにしましょう。
人間関係をリセットする前に試したい4つのこと
最後に、人間関係を良好に保ちたいけど衝動的にリセットしそうになるときの対策を4つ紹介します。
①人に期待しない
多くの人は、他人に対して「〇〇してくれるだろう」と心のどこかで期待しています。しかし自分が期待した反応が返ってこないと、悲しさや苛立ち、絶望感からストレスをためてしまいます。
「他人は自分の期待に応えてくれないのが当たり前」
そう思えば、人に対してのモヤモヤもなくなり、ストレスも感じません。
最初から期待しないと、人との適度な距離を保てるようになりますよ。
②苦手な人とは距離を置く
人付き合いをいきなり辞めるのではなく、苦手な人との距離を少しずつあけるところから始めましょう。
例えばLINEで返事を返すのが億劫なときは「忙しくなるから返事を返せない」と伝え「通知オフ」か「非表示」にしておくのが一つの手です。遊びに誘われた場合も、「疲れてるからしばらく会えない」などと断り続けてみましょう。
人間関係に疲れているときは、なるべく人と関わらないのが賢明です。
③SNSから一旦離れる
SNSはアンインストールかログアウトするのがオススメです。
SNSは見ているだけで疲れてしまう人も少なくありません。特にHSPは攻撃的な発言や誰かの悪口を言っている投稿が目に入ると落ち込んでしまいます。
SNSは使わなくても生きていけます。
ただし、SNSのアカウントを全削除してしまうと復元できません。大事なやり取りがあった場合に後悔する可能性がありますので、アカウント削除は慎重に行いましょう。
④信頼できる人に相談する
もしいつも親身になってくれる友達や家族がいたら、話を聞いてもらいましょう。心の専門家であるカウンセラーに相談してみるのも有効です。
不安や悩みを吐き出し「自分を大事に思ってくれる人がいる」と実感できれば、すべてをリセットしようとしていた気持ちが落ち着いてくるかもしれません。
まとめ:人間関係をリセットする前に、一呼吸置こう
人間関係に疲れやすいHSPは、人間関係リセット症候群を引き起こしやすい傾向があります。
人間関係のリセットには、新しい人間関係を築ける、自分を取り戻せる、心にゆとりができるなど、良い面もあります。
ただし、衝動的にすべてリセットするのではなく、大事な人を思い出して気持ちを落ち着かせた上で、今の人間関係を見つめ直しましょう。