「人に見られながら仕事するのは緊張する……」
「上司に確認したいことあるけど忙しそうだから声をかけづらい……」
仕事や職場の人間関係において働きづらさを感じ、HSP気質が関係しているかもしれないと感じる人もいるのではないでしょうか。HSP気質が原因で仕事でつらい思いはしたくはないですよね。
今回の記事では、HSPの仕事に関する悩みを解決するために以下をご紹介します。
- HSPの仕事・職場あるある
- 仕事がつらいと感じるのはどんなときか
- HSPが仕事と上手に向き合う方法
この記事を読むことで、HSPが抱えがちな仕事の悩みと解決策が分かるはず。もこもこと一緒に学んでいきながら、仕事の悩みを解消していきましょう。
HSPの特徴とは?
仕事の悩みはHSPの気質が関係しているかもしれません。まずはHSPを理解するところからはじめましょう。
HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略称で、生まれつき感受性が強くて敏感な気質をもった人のこと。
HSPを提唱したアメリカの心理学者アーロン氏によると、以下の4つの共通した特徴があり、それらの頭文字から「DOES」と呼びます。
このように、HSP気質を持つ人は、普通に生活しているように見えて周りの環境に大きく影響を受けています。仕事への意欲はあるのですが、働く環境によってモチベーションが下がったり、自信を無くしてしまったりすることが少なくありません。では、どのような事例があるのか詳しく見ていきましょう。
>>【徹底解説】HSPとは?特徴・診断方法・発達障害との違いなど【繊細なあなたへ】
「自分がHSPかどうかわからない」という方は、こちらからHSP診断ができるのでぜひチェックしてみてください。
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HSPの仕事・職場あるあるとは?事例12選
人が怒られていると自分が怒られているように感じる
誰かが怒られているとき、怒られている人の気持ちを感じ取ってしまったり、自分に向けられている言葉なのではないかと考えてしまい、集中が途切れてしまいます。
たとえば職場で上司に怒られている同僚を見たときに、自分まで気持ちが沈んでしまった経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
このように、HSPは誰かの気持ちに共感する能力が高いのです。
周りに人がいる中で電話をかけるのが苦手
HSPの人は周りからどう思われているか気になってしまいます。また、電話を掛けるときは、相手の状況をシミュレーションしないと安心して電話をすることができません。
相手が出るか分からない電話をするのは疲れてしまいますよね。相手のことを気遣うHSPならではの悩みではないでしょうか。
上司に質問したくても忙しそうだと聞きにくい
「○○さん、今忙しそうだから質問は後にした方がいいかな…」と質問するのをためらってしまう方が多いです。そうしているうちに質問するタイミングを逃してしまい、後悔する方もいるのではないでしょうか。
このような場合は、メールやチャットで質問するなど、相談方法を工夫してみましょう。
とりあえずやってみろ!や根性論は苦手
HSPは物事に対して根拠やプロセスをしっかり考えてから行動に移します。そのため「とりあえずやってみる」「根性・気合でやる」といった曖昧なやり方は好みません。
物事をしっかり深く考えてから行動に移す慎重なHSPには、どうしても受け入れられない考え方かもしれないですね。
お願いされると自分が忙しくても断れない
相手に気を遣い、顔色を伺おうとするHSPは、頼まれたことを断るのが苦手です。相手に嫌われるのを恐れて、自分の仕事以上に仕事を引き受けてしまいがちです。
自分が無理だと思ったことは勇気をもって断らないと体調を崩す原因になるかもしれません。
プレッシャーをかけられると震える
HSPはプレッシャーや緊張も、より敏感に感じ取ります。
たとえば上司に仕事を見られながら作業をするのが苦手な方もいるのではないでしょうか。見られていると意識するほど緊張してしまったりミスが増えてしまったりするかもしれません。
時には手が震えてしまうくらいの緊張状態になってしまうこともあります。
仕事モードじゃないときに話しかけられると挙動不審になる
なるべく仕事以外の時はひとりで過ごしたいと思っているので、急に話しかけられるとびっくりして挙動不審になってしまうことがあります。
休憩時間に不意に上司に話しかけられたり、同僚から声をかけられたりするのは苦手という方も多いかもしれません。
定期的にひとりでリラックスできる時間を持てるとよいでしょう。
人を怒ったり注意したりするのが苦手
相手のことを考えすぎるあまり強く注意ができないのもHSPの傾向です。
ミスを指摘できなかったり、改善点を伝えられなかったりすることも。怒らなくても、相手が改善してくれるような注意の仕方を学んでみるのもいいかもしれませんね。
ミスしたり怒られると落ち込んで辞めたくなる
HSPはミスしたり怒られると、必要以上に自分を責め、落ち込んでしまいます。なかにはやめたくなってしまう人もいます。
意識的に「誰もがミスするから落ち込まない」と自分に言い聞かせることも大切ですね。
人に頼むより自分でやった方が早い
HSPは人にものごとを頼むのが苦手です。断られることを嫌がるあまり、自分でやった方が早いと感じます。
もしマネジメントに携わる側になったときは、人に頼るように習慣をつけましょう。
満員電車がつらい
満員電車が辛くない人はいないと思いますが、HSPは特に疲れやすいといえるでしょう。
パーソナルスペースに人がいて落ち着かなかったり、香水や体臭などの匂いが気になってしまうからです。また、満員電車に限らずHSPは刺激が多い人混みが苦手な傾向にあります。
これらの理由で、満員電車の中で人と密着する状況に我慢できず、途中下車する人もいるのです。
ランチはなるべく一人で食べたいけど誘われると断れない
仕事で人と関わって疲れているのでお昼休みは一人でゆっくり過ごしたいと思っているHSPも多いのではないでしょうか。しかし、断るのも相手からどう思われるか気になってしまうので、断ることができません。
よほど大事な誘いでなければ、断る勇気を持ちたいですね。
HSPが仕事がつらいと感じる理由とは?
人より疲れやすい
HSPはいろんな感情を敏感に感じ取ります。たとえば、相手の声のトーンやその場の雰囲気などを感じとり、気にする場面が多いです。
また、人間関係以外のところでも、音や光、匂いなどの刺激にも敏感に反応することがあります。
このように、繊細な気質から感情や感覚が働きすぎてしまうことが仕事がつらい要因のひとつになっていると考えられます。
共感力が高く周りの影響を受けやすい
HSPは相手の気持ちによりそうことができる一方で、相手の感情を受け取りすぎて疲れてしまうことがあります。
たとえば、上司がいつもより機嫌が悪かったときは、「さっき提出した書類に不備があったのかな……」「休憩中に話したことの言い方がわるかったのかな……」など、自分の行動のせいなのではないかと考えてしまいます。
考えすぎてしまう
些細なことにもよく気づき、相手の感情などを読み取ることができますが、深く物事を考えすぎる一面があります。
深く考えすぎるあまり、必要以上に相手のことを考えてしまったり、将来のことまで考えてしまい、ネガティブになってしまいます。
職場の同僚とその場では楽しく食事をしていても、家に帰ったらすごく疲れてしまうのは、この特性の影響なのかもしれません。
HSPが仕事がつらいと感じるのはどんなとき?
職場の雰囲気が悪いとき
共感性が高いHSPは、職場の雰囲気や誰かの表情などを敏感に感じ取って気にする傾向にあります。たとえば近くで誰かの怒鳴り声を聞くと、自分が怒られているように感じてしまったり、上司が不機嫌そうなオーラを出していると緊張してしまったり。
その結果、ストレスを感じてしまい仕事に集中できなくなります。
また、結果を出さないといけないプレッシャーや人前で発言しないといけない雰囲気も苦手です。このような極度の緊張状態が続くと、心身ともに疲れ果ててしまいます。
光・音・においなど五感を刺激するものがあるとき
五感を刺激するものの例としてあげられるものは、電話の音、強い光や大声、不快な触りごごち、工事の音、汗のにおい、香水のにおい、食事のにおい、ほこりなどです。HSPでない人は気にならないような部分でも、HSPにとってはストレスになることがあります。
また、周りに貧乏ゆすりやペンをまわす癖がある人がいると、気になってしまい仕事に集中できないこともあります。
トラブルへの対応
顧客のクレーム処理など、仕事をするうえで自分に非がなくてもトラブルに対応しなくてはならないときがあります。相手から一方的に責められると、HSPの人は心の境界線がもろいので自分が責められているように感じてしまいます。
また、怒りのパワーがHSPの繊細な感情に大きなダメージを与え、仕事が辛い原因の一つにもなってしまいます。
周囲の目が気になるとき
HSPは、職場の上司や同僚など周りの目を気にしすぎてしまいます。
たとえば、上司や同僚がイライラしてることに気づいたとき、HSPは頭の中で「気に障ることを言ってしまったかな?」「何かミスをしたかな?」と自分の行動や言動に非があるのではないかと考えこんでしまいます。
周りの目を気にしすぎると結果的に仕事がやりづらくなってしまうことがあります。
自分のペースで働けないとき
HSPの気質に、深く物事を考えて行動するというものがあります。仕事でも、ミスを避けて何度も考えてから行動に移すため、時間がかかることがあります。
スピードを求められる仕事を行うときは、人よりも時間がかかることがプレッシャーになってしまいます。また、そのことを周囲に指摘されたり、せかされたりすることで、過度なストレスになることもあります。
HSPが仕事と上手に向きあう方法
無理をして人と関わらず適度な距離を保つ
HSPは、職場に苦手な人がいても「嫌われないようにしないと」「どうにか上手く接しないと」と良好な関係を築こうとするため疲れてしまう傾向にあります。そして、家に帰るとぐったり疲れ切ってしまう人もいるのではないでしょうか?
しかし、全員から好かれる人などいません。苦手な人とは普段はあまり関わらないようにして、どうしても関わらなければいけないときだけ頑張ると気持ちも楽になるのではないでしょうか。
仕事を一人で抱え込まない
仕事で悩み事がある場合、一人で抱え込まないようにしましょう。HSPの人は、周囲の状況に気が付きやすく困っている人がいると手を差し伸べたくなります。しかし、自分の仕事に加えて人の仕事も引き受けることで、一人で抱え込むことになってしまいます。
多くの仕事や、悩み事を抱えすぎると、知らないうちにストレスが蓄積し、心身に影響が出てきてしまいます。信頼できる人がいれば、相談するようにしましょう。
過去の失敗を引きずらない
HSPは、気持ちの切り替えが苦手です。そのため、過去の失敗があるといつまでもとらわれてしまいます。過去にとらわれて自分の失敗を責めていると、ストレスが溜まっていつまでも前を向けません。
終わったことで自分を責めることはやめて、「次はミスしないぞ」という気持ちで仕事に向かうことが大切です。
自分を責めすぎない
無理なく仕事をしていくためには、自分を責めすぎないことが大切です。仕事でのミスや、人間関係で上手くいかないことがあると自分の非を探してしまい、いつまでも悩んでしまいます。
自分を責めすぎないコツとしては、
- 必要以上に物事のハードルを上げない
- ミスを引きずらない
- 失敗よりも成功に目を向ける
の3つを意識するといいでしょう。
働きやすい環境づくり
HSPにとって、働きやすい環境を作ることは仕事をやりやすくするうえでとても重要です。上司や同僚に相談して、極力自分が過ごしやすい環境を作りましょう。
とはいっても、オフィスで働いている人にとってはなかなか環境を変えることは難しいかもしれません。あまりにもストレスがたまってしまうようであれば、転職することも選択肢に入れてもいいかもしれません。
まとめ:HSPが仕事で抱えがちな悩みを知って対策していこう!
ここまで、HSPの仕事・職場あるあるをご紹介してきました。共感できる部分がたくさんあったのではないでしょうか。
今、この記事を読んでくださったあなただけではなく、HSPがみんな同じように感じていると分かるだけでも安心しますよね。また、HSPの天職についての記事もありますので、以下も参考にしてみてくださいね。
>> HSPの天職とは?繊細さんに向いてる仕事を見つける方法
今回ご紹介した仕事と向き合う方法などを参考に、少しでも仕事がしやすい環境を見つけていきましょう!
仕事で悩んだときはぼくと一緒にゆっくりしようね!