「散かった部屋でイライラしてしまう」
「片づけようと思うのに片づけられない」
「気がつくと時間だけが過ぎて、片づけを始める前よりむしろ散かっていた…」
そんな経験はありませんか?
そして、なんで自分は片づけもできないんだろう…と自分を責めたりしていませんか?
片づけられないのは、もしかするとHSPの気質が影響しているのかもしれません。
今回は、HSPがなぜ片づけが苦手なのか?その理由を紐解くとともに、HSPならではの片づけで気をつけるポイントについてご紹介します。
HSPが片づけが苦手な3つの理由
HSPとは「ハイリー・センシティブ・パーソン」の略。敏感で繊細な気質は病気ではなく生まれもった気質で、約5人に1人が当てはまるといわれています。
HSPには以下の4つの特徴があります。
- 思慮深く、深く考えてから行動する
- 刺激に敏感で疲れやすい
- 人の気持ちに振り回されやすく共感力が高い
- 鋭い感覚をもち繊細なことにも気づく
>>【徹底解説】HSPとは?特徴・診断方法・発達障害との違いなど【繊細なあなたへ】
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そんなHSPの特徴を踏まえた上で、HSPが片づけが苦手な理由は主に次の3つが考えられます。
- 疲れやすい
- マルチタスクが苦手
- 思い出が詰まったものが捨てられない
1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.疲れやすい
HSPは視界から入るもの、五感で感じるものなど全てのことに、とても敏感です。そして自分でも気づかない、無意識のレベルで多くの刺激を受け取っています。
そのため人より疲れやすく、いつの間にか体力を消耗していることが多いのです。
意外に知られていませんが、「片づけ」はものすごく体力のいる作業です。1つ1つ「モノ」と向きあいながら「要・不要」の判断をする作業は、非HSPの方でも脳疲労と共に体力の消耗も激しいものです。さまざまな刺激を受けやすいHSPであれば、なおさらです。
「今日はココとココとコレを片づけよう!」と思っていても、達成せずに終わってしまうのは、ある意味当然なのです。
2.マルチタスクが苦手
HSPは以下などの気質からマルチタスクが苦手です
片づけ作業にありがちなのは、1ヵ所片づけていたらそれに付随して気になる場所があちこち出てきて、あれこれ手をつけてしまうこと。マルチタスクが得意な人にとっては、むしろ一気に効率よく作業が進む場合もあるでしょう。
しかし、HSPは1つの事象や小さなことに対して、深く考える傾向にあります。気になる場所、1つ1つ深く考え始めると収拾がつかなくなるのは、当然かもしれません。
あちこち気になった結果、何から手を付けていいのか分からなくなってしまった…。
結果、全てが中途半端で、最終的に片づけを始める前より「取っ散らかった状態」になってしまうということも少なくないのです。
3.思い出が詰まったものが捨てられない
HSPは、人の気持ちに寄り添うのが得意です。環境に左右されやすく自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先する気質をもっています。
- 相手に気を遣いすぎてヘトヘト
- 相手から嫌われないようにいつも顔色を伺っている
こんな特徴は片づけの場面にも影響しています。
例えば、自分では使わないだろうなと思っていても「人から頂いたモノだから」となかなか手放せなかったり。
「これを捨てたら、あの人が悲しむだろうな」と相手の気持ちを想像してしまい、捨てられなかったり。
「あの時の思い出の品物だから」と感情移入して手放せず、いつまでもしまい込んでいたり。
その品物をくれた当の本人は、そんなことはとっくに忘れているかもしれないのに…。
しかし、相手の気持ちを勝手に想像してしまい、手放せなくてモノが増えていく…というケースもよく見受けられます。
HSPが部屋を片づけるメリットと理由
片づけが苦手な傾向にあるHSP。多くの情報を無意識のうちに受け取ってしまうHSPが、部屋を片づけることには大きなメリットがあります。
①視界からの情報が少なくなる
人間は視界から入る情報に大きく左右されます。
部屋の中が散かっていると、それだけ情報量が増えますよね。情報量が増えると、それに伴ってHSPの疲労度は増していきます。
逆に、視界から入る情報が少ない、あるいは整った空間で必要な情報が必要な時に必要な分量だけ入ってくる場合には、ストレスも少なく、疲労も最小限で済むのです。
②疲れて帰宅したときにホッとできる場所
1歩外に出れば、HSPにとっては全てが刺激。
無意識のうちにあちこちにアンテナを張って頑張っているHSPにとって、自宅は唯一自分を開放して、安心・安全な自分をゆるめることのできる場所。
その自宅が、ぐちゃぐちゃで足の踏み場もない状況だとしたら…
ホッとするどころか疲れが増してしまいます。
部屋が片づいていることは、HSPにとっては思った以上に大きな効果があるのです。
③五感への刺激が軽減されて過ごしやすくなる
前述したように、HSPは五感が鋭く、目に入るもの、音、匂いなどすべてを刺激として無意識のうちに受け止めています。
部屋が散らかった状態は、五感への影響も大きいのです。
- 何となくイライラする
- 何となく落ち着かない、疲れがとれない
- 自己肯定感が下がってしまう
などメンタルにも影響します。整った空間は、五感への刺激が柔らかくなり、メンタルも安定して過ごしやすくなります。
④探し物の時間が減る
家の中が整うと、モノが収まるべき場所に収まるので探し物が減ります。探し物をする時間はムダな時間で、日々忙しく過ごしている私たちにはとてももったいない時間です。
特にHSPは、一人でのんびりする時間が必要なので、自分をゆるめる時間はなるべく多く確保したいところです。
⑤断り上手になる
HSPは断ることが苦手な人も多いですよね。常に相手の立場で考えたり、相手の気持ちを優先したり、場の雰囲気を考えて自分の気持ちが言えなかったり。
片づけにおいても「まだ使えるかも」「これは●●さんからもらったものだから」と手放せずにいつまでも手元に置いてしまい、部屋を圧迫しているということも少なくありません。
片づけは、1つ1つモノと向きあい、自分の「今」の暮らしにとって必要かそうでないかを判断していくもの。
今の自分にとって「不要」だと判断して、自分の元から手放していく作業は、断ることが苦手な人にとって最初はなかなか難しいものです。
しかし、回数を重ねるごとに判断力も早くなり、自分の軸に沿った「要・不要」を見極められるようになります。
それはつまり、実際の生活における「自分軸」にも影響してきます。
他人の顔色ばかり気にして、他人に気を遣ってばかりいる生活から、少しずつ「自分軸」を大切にする方法がつかめてくるのです。
今すぐできる!HSPのための片づけ術3つのポイント
ここまでは、HSPのもつ特徴ゆえに片づけが苦手なこと、だからこそ片づけが必要な理由についてお伝えしてきました。
では、片づけるためには一体どうしたらいいのでしょうか。
HSPだからこそ、片づけに取り組むときに押さえておくべきポイントを3つご紹介します。
①1ヵ所に集中する
「今日はリビングの収納だけ」など、一つの場所に集中して片づけをしましょう。
片づけを始めると、つい「あそこも、ここも!」とあちこち気になるもの。
しかし、HSPは他の人より疲れやすいという気質があることを忘れてはいけません。
たとえ「一気に片づけてしまいたい!」と思ったとしても、無理をせず最初に決めた場所だけに集中しましょう。
また、最初に取り組む場所は目につきやすい場所がおすすめ。いつも目に入る場所が整っていくと片づけのモチベーションのアップにもつながるからです。
②時間を決めて取り組む
何事も一生懸命に取り組むHSP。時間を決めて取り組まないと、いつまでも頑張ってしまって終わったときには燃え尽きた状態になることも。
その状態になると、次に片づけに取り組もうとする意欲がなくなる可能性もあります。
「今日は30分だけ」など時間を決めて取り組むことをおすすめします。
慣れてきたら少しずつ時間を延ばして、範囲を広げていくとよいでしょう。
③明らかに不要な物を捨てる
HSPがなかなかモノを捨てられないのは前述したとおり。
最初のステップとして、明らかに不要なものを手放すところから始めてみると、手放しやすくなります。
例えば、食材のストックに残っている賞味期限の切れた食材。すり減った靴。サイズアウトした洋服など。
家の中を見渡して、明らかに使っていないモノを手放すだけでも、かなりすっきりするのではないでしょうか。
手放すことに慣れてきたら、少しずつモノを減らすコツがつかめてくるでしょう。
まとめ:HSPだからこそ!1人の時間を片づいた部屋でゆっくり過ごそう♪
刺激に敏感なHSP。1歩外に出れば多くの刺激を無意識のうちに受けてしまい、いつの間にか消耗して疲れていることも多いでしょう。
だからこそ、自分の部屋はなるべく刺激を減らし、自分のお気に入りのモノに囲まれて、のんびり過ごせる環境が大切なのです。
疲れやすいHSPだからこそ、自分をリセットできる環境は大切にしたいですね!
この記事が、あなたの暮らしをラクするヒントになれば幸いです。