「HSPという言葉を最近知った。もしかして私、HSPかも?」
この記事は、そんな方に向けてHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)について徹底解説します。
- HSPとは?特徴や診断方法は?
- 発達障害やうつ病、適応障害とは違うの?
- HSPだと分かったらどうすればいい?
自分がHSPかもしれないと悩んでいる方に向けて、上記の内容をお話していきます。
HSPとはどんな人?特徴などの基本情報
HSPは「感受性が高く敏感な気質を持った人」
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略称で、生まれつき感受性が強くて敏感な気質をもった人を表します。
ポジティブな意味を込めて「繊細さん」と呼ばれていることもあります。
HSPは環境や性格などによる後天的なものではなく、先天的に生まれ持った気質です。統計的には5人に1人が当てはまるとされています。
HSPの主な特徴4つ
HSPを提唱したアメリカの心理学者アーロン氏によると、特徴は以下の4つです。
たとえば、人一倍疲れやすかったり、近くで誰かが怒られているとまるで自分が怒られているようにつらくなったり。また、美術や音楽に深く心が動かされやすかったり、人の気持ちを理解できる素敵な面もあります。
HSPの4つのタイプ
実は、HSPは「刺激に対しての行動特性が強いのか弱いのか」「刺激に対して敏感に反応するのか、しないのか」の視点によって、4つのタイプに分類ができます。
また、これらとは別にHSPのこどものことを「HSC(Highly Sensitive Child)」といいます。
①HSP(内向型HSP)
HSPの約70%を占めているのが、HSP(内向型HSP)です。繊細で敏感な性質を持っており、最も内向性が高いタイプ。なお、他のタイプも内向型HSPの気質は持ち合わせており、HSPの性格の基盤です。
②HSE(外向型HSP)
繊細ながら外向的な一面を持つのが、HSE(外向型HSP)です。なお、HSEはHighly Sensitive Extroversion の略称です。周りの人との交流を好みますが、些細な言動や行動にストレスを感じることも多いタイプです。
≫ 【徹底解説】HSE(外向型HSP)とは?内向型HSPとの違いやHSEで悩まないための方法を紹介!
③HSS型HSP(刺激追求型HSP)
全人口の約6%しかいない珍しい気質がHSS型HSP(刺激追求型HSP)です。刺激を求めますが、内向的。好奇心旺盛でチャレンジや新しいことを知るのが好きですが、刺激に敏感なため燃え尽きてしまうこともあります。
≫ 【徹底解説】HSS型HSPとは?!刺激を求めるけれど傷つきやすく繊細。生きづらさを解消する方法とは?
④HSS型HSE(刺激追求・外向型HSP)
外向的で刺激を求める気質があるのがHSS型HSE(刺激追求・外向型HSP)です。HSPの中で最も活発で、リーダーシップを発揮するのも得意です。HSEの大半はHSS型の可能性が高いとされています。
≫ 【徹底解説】HSS型HSEとは?特性や強み、向いてる仕事やHSS型HSPとの違い
HSPは病気なの?発達障害やうつ病、適応障害との違い
HSPとは?の章でもお話した通り、HSPは病気ではなく、生まれつきの気質です。混同されやすい病気として、「発達障害」と「うつ病」、「適応障害」があります。
HSPと発達障害の違いは?
発達障害は、脳内の神経ネットワークのつながりの異常により、コミュニケーション能力や問題解決能力などの低下が見られる状態のことです。
一方、HSPは受け取る刺激に敏感なため疲れやすい傾向にあります。この繊細な一面が発達障害の症状の一部である感覚過敏に似ているため、発達障害と混同されやすいと推測できます。
HSPとうつ病の違いは?
うつ病は、心療内科で診断される「病気」です。対して、HSPは先天的に生まれ持っている「気質」。その点で、HSPとうつ病は全く違うものです。
しかし、HSPの人は性質上、うつ病になりやすいとされています。HSPによるストレスが原因で発症したうつのことを、「HSPうつ」と呼ぶこともあります。
うつ病とHSPは違うものですが、うつ病の原因にはHSPが関わっているといえるでしょう。
HSPと適応障害の違いは?
適応障害は、職場や家庭などの環境のストレスによって、気分の落ち込みや意欲低下、不眠や身体症状が表れて社会生活に支障をきたしてしまう病気です。適応障害もうつ病と同じく、診断がつく「病気」という点でHSPとは異なります。
また、HSPの人は人一倍気を遣って過ごしている人が多く、自己肯定感が低い、疲れやすいなどの傾向があるため、適応障害を起こしやすい性質といえるようです。
自分がHSPか診断する方法
自分がHSPかもしれないと考え、病院で受診しようと考えている方もいるかもしれません。しかし、HSPは病気ではなく気質のため、医学的な診断がつくものではないです。
とはいえ、「自分がHSPなのか判断したい!」という方もいるはず。実は、HSPかどうかを無料でセルフチェックできるサイトがいくつかあります。
当ブログでも、簡単な質問に答えるだけで簡易的な診断ができる診断チャートを用意しました。まずは以下の記事からセルフチェックをしてみてください。
≫ 【5分でHSP診断】HSP気質か簡単セルフチェック!自分の繊細さがわかる
HSPの治療方法は?治し方はあるのか
結論からいうと、HSPは医学的に治療するものではありません。そのため、HSP自体を治療するのではなく、HSPが原因で起こる症状や病気を改善したり、自分の気質との向き合い方を考えていくことが一番の対処法になります。
HSPの人は、生活のあらゆる場面で生きづらさや苦しさを感じることが多いようです。たとえばHSPが抱えやすい悩みとして以下があります。
- 同時並行処理が苦手
- 些細な匂いが気になる
- 大きな音や強い光が苦手
- 他人と長時間一緒にいると疲れる
- 他人が叱られていると自分も怒られている気持ちになる
しかし、こうした性質がHSPに起因していたと分かれば、あとはどのように対処して向き合うかを考えるだけです。たとえば以下のような工夫を取り入れてみましょう。
- 苦手な仕事は避ける
- マスクなどで鼻を隠す、お気に入りの香りアイテムを持ち歩く
- イヤホンで音を遮断する
- 適度にひとり時間を持つ
- 刺激の多い環境に身を置かない
HSPと向き合うには、HSPを正しく知ることが必要です。
さらに、HSPには素敵な長所もたくさんあります。HSPの気質を活かせる仕事や人との関わり方を見つけることで、幸福度が上がるはずです。
心穏やかに暮らすためのHSPとの向き合い方
HSPに向いている仕事は?
HSPの人は、共感力や直観力、多角的な考察力や気づく力など、仕事に活かせる素敵な特徴も持ち合わせています。
そんな性質が活かせる、以下のような仕事と相性がいいでしょう。
- 正確さが求められる仕事
- 専門性の高い仕事
- クリエイティブ系の仕事
- 人の心や体をケアする仕事
- 動物や自然と関わる仕事
- 人との交流が少ない仕事
たとえば、倉庫作業員やイラストレーター、心理アドバイザー、獣医、図書館の司書など。HSPに向いている仕事については、以下の記事に詳しくまとめています。
≫ HSPに向いている仕事・向いていない仕事は?特徴や選び方を解説【適職探し】
HSPの恋愛との向き合い方は?
HSPの方は、人のいい部分にも目が付きやすいため、相手に対して憧れや好意を抱きがち。そのため惚れっぽい人が多いとされています。
また、世話好きだったり人の気持ちを察して手を差し伸べようとすることが多く、依存しすぎずほど良い距離感での付き合いを心がけることが大切です。
以下のような性格の人と相性がいいでしょう。
- 感情の起伏が激しくない人
- HSPを理解してくれる人
- 人生設計が明確な人
- 否定しすぎない人
- 愛情表現してくれる人
感情のコントロールができたり、きちんと愛情表現をしてくれるなど。周りの感情に影響されやすく不安を感じやすいHSPは、上記のようなパートナーと出会えると、楽しく恋愛ができるはずです。
落ち込んだときの対処法
HSPの人の中には、休むのが苦手という方も多くいます。しかし、心の変化に気づいたときは、思い切って休むのが得策です。
- 一人の時間を作る
- たくさん眠る
- 周囲の音や光をさえぎる
- 自分自身の気持ちを書いてみる
- 過剰な物事からは遠ざかる
- 神経質になるくらい気を使うものとは距離を置く
心を病まないよう、頑張りすぎないことを大切にしましょう。
HSPと上手に向き合い幸せに生きよう
今回ご紹介した通り、HSPは生まれ持っている気質です。
一見短所ばかり目につきがちですが、HSPには素敵な長所もたくさんあります。また、HSPは「幸福度の感度も高い」のです。
本ブログがHSPへの理解を深める助けとなり、少しでもあなたの心が楽になっていれば幸いです。