「今の仕事がつらくてHSPの自分に合っている仕事を探している」
「繊細すぎて仕事が長く続かない」
この記事は、そんな悩みを持つ方に向けてHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)に向いている仕事について徹底解説します。
- HSPに合った仕事の選び方
- HSPに向いている仕事・向いていない仕事
- HSPが長く幸せに働き続けるためのポイント
仕事探しやバイト探し、転職などで悩んでいるHSPの方に向けて、上記の内容をお話していきます。
HSPとはどんな人?特徴を解説
まずは簡単にHSPの特徴を解説します。
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略称で、生まれつき感受性が強くて敏感な気質をもった人を表します。
HSPは環境や性格などによる後天的なものではなく、先天的に生まれ持った気質です。統計的には5人に1人が当てはまるとされています。
HSPを提唱したアメリカの心理学者アーロン氏によると、主な特徴は以下の4つ。
D:情報を深く考えて処理する(Depth of processing)
O:過剰に刺激を受けやすい(being easily Overstimulated)
E:感情の反応が全体的に強く、共感力が特に高い(being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular)
S:わずかな刺激にも気づく(being aware of Subtle Stimuli)
刺激を受けやすく疲れやすかったり、他人の気持ちを察して気を遣いすぎたりする性質から、仕事で悩むHSPの方も多いようです。
HSPについては、以下の記事に詳しくまとめています。
≫ 【徹底解説】HSPとは?特徴・診断方法・発達障害との違いなど【繊細なあなたへ】
また、自分がHSPかどうか気になる方は、以下の記事で診断してみましょう。
≫ 【5分でHSP診断】HSP気質か簡単セルフチェック!自分の繊細さがわかる
HSPの失敗しない仕事の選び方
それでは、HSPの失敗しない仕事の選び方のポイントをお伝えします。
HSPの長所・強みを活かせる仕事を選ぶ
HSPの方は、自分の苦手な部分やできない部分に目を向けて悩んでしまいがち。また、完璧主義な傾向もあるため、「完璧にできない自分」が嫌になり疲れてしまう場面も。
しかし、実はHSPには仕事に活かせる素敵な長所がたくさんあります。
- 共感力が高く相手や場への気配りが上手
- 人の痛みが分かり寄り添うことができる
- 物事の細部にまで意識を向けることができる
- 異なる面から独自の視点を考えられる
- 感受性や想像力が豊かでクリエイティブ
- 慎重で危機管理能力が高い
このような強みを生かせる仕事を選ぶことで、あなたの才能や個性を発揮して仕事ができるでしょう。
興味がある仕事を選ぶ
自分の気持ちにも敏感なHSPの方にとって、「目の前の仕事に興味を持って取り組めるか」は大切な指標です。
HSPには、目の前の物事を深く考える傾向があります。
「本当にやりたいこと?」
「これってどんな意味があるの?」
と一度抱いた違和感や疑問を無視することが難しいのです。
仕事選びでは、心から興味を持てるかを大切にするとよいでしょう。
環境や人間関係が安定した職場を選ぶ
HSPが大切にしたいのは、職種や業務内容だけではありません。環境や人間関係も働きやすさを左右する要素です。
たとえば以下のような環境はストレスを感じやすいので注意しましょう。
- 人の対立や衝突が絶えない
- 電話の音や話し声で騒がしい
- 行動を細かく監視される
- 長時間労働
- 人や環境の移動が激しい
仕事の内容だけでなく、環境や人にも目を向けましょう。
適職は?HSPの向いている仕事の特徴
①人の心や体を癒やす仕事
- 心理カウンセラー
- 臨床心理士
- コーチング
- 鍼灸師
- マッサージ師
- エステティシャン
- セラピスト
- 医師
- 介護士
- 看護師
- 整体師
HSPには、優しくて人の気持ちに寄り添える方が多いです。
人の気持ちを察する必要があり、人の心や体に寄り添う仕事はHSP気質を活かすのに最適といえるでしょう。
②動物や植物に関わる仕事
- 花屋
- 農業
- 林業
- フラワーコーディネーター
- 植物園のスタッフ
- ガーデンデザイナー
- トリマー
- ペットトレーナー
- ペットショップ店員
- 動物園スタッフ
感覚的に深い部分を理解できるHSP気質は、人以外と接するときにも大きく役立ちます。言葉でコミュニケーションが取れない生き物のケアができる仕事はぴったりです。
③正確さが必要な仕事
- 工場のライン作業
- 自動車整備士
- 検査や検品作業
- 自動車の運転手
- 事務
- 経理
- データ入力
HSPは間違いに気づきやすく、誤字脱字を見つけられたり、小さなミスに気づけたりする性質があります。
正確さが必要なルーティン作業やライン作業はHSPに向いている仕事のひとつです。
④ひとりでできるWeb系の技術職
- エンジニア
- Webデザイナー
- Webライター
- Webディレクター
- Webマーケター
- グラフィックデザイナー
- UI/UXデザイナー
- 動画編集者
- デバッガー
- ソフトウェア開発
- システムアナリスト
需要が高い仕事でもあるWeb関係の仕事は、直接人と関わらずにできますが、使う人側の目線も大切です。そのため、ひとりでじっくり考えることが好きで、人の心の声を汲み取れるHSPの方に向いている仕事です。
また、場所に縛られず作業できる仕事が多いことも、向いている理由のひとつです。
⑤ものづくり・クリエイティブな仕事
- デザイナー
- イラストレーター
- ハンドメイド作家
- カメラマン
- ゲームクリエイター
- 編集・制作
- コピーライター
クリエイティブな仕事に向いている人は、感覚に優れている人。繊細で敏感なHSPには、何かを創造してつくり出す仕事が向いています。
HSPが向いていない・つらいと感じる仕事の特徴
①ノルマや売り上げ目標が厳しい仕事
- 営業職
- 金融・不動産・総合商社
- 外資系企業
他人と競争することを強いられて、数字などの目標が厳しく圧迫されるような環境は、HSPにとってストレスを感じやすいでしょう。
周囲の期待に応えなければならないプレッシャーや、成果を出せない情けなさなどで潰れてしまう懸念があります。
②スピードや要領の良さが求められる仕事
- 飲食店スタッフ
- チームリーダー
物事を深く考えてから行動するHSPの方にとって、機敏な対応や要領の良さが求められる仕事は苦痛になりかねません。
また、マルチタスクやスピード感のある対応が苦手なHSPの方にとっては、ミスをしやすい仕事ともいえるでしょう。
③他者との関わりが多い仕事
- 接客業
- 販売業
- 営業職
- コールセンター
- 窓口対応
- 受付
他人の気持ちを敏感に察知し、受け止めてしまうHSPは、人との関わりが多すぎるとクタクタになってしまう傾向あり。
人と接する機会の多い仕事は、避けるのが無難でしょう。
HSPが長く働き続けるためのポイント
HSPが長く働き続けるために心がけておくべきポイントは何でしょうか?確認していきましょう。
つらい時は遠慮せず休む
HSPの方は仕事を断るのが苦手でつい引き受けすぎてしまうことも。たとえば、以下のようなときは休んだほうがいいサインです。
- なぜか涙がでてくる
- 食べ物の味がしない
- 心臓が締め付けられているような感覚
- 笑顔が上手に作れない
つらいときは遠慮せず休んだり、断る勇気も時には必要です。どうしても気分が落ち込んだり、考えすぎて頭がごちゃごちゃになったら、以下をやってみてください。
- ひとりの時間を作る
- たくさん眠る
- 周囲の音や光をさえぎる
- 自分自身の気持ちを書いてみる
- 過剰なものからは遠ざかる
- 神経質になるくらい気を使うものとは距離を置く
ストレスを解消できる方法を見つける
たくさんの情報や刺激にあふれて生活していると、つらいと感じる瞬間もあるはずです。そんなとき、ストレスを解消できる方法を見つけておくと、自分で自分の心を癒やすことができます。
- 好きな食べ物を好きなだけ食べる
- お風呂にアロマオイルを入れる
- 自然と触れ合う
- 睡眠をたっぷり取る
- 誰かに話を聞いてもらう
- 映画を観る
自分なりにリラックスできる過ごし方を見つけておきましょう。
自分を責めすぎない
HSPの方は、真面目な頑張り屋が多いのが特徴です。「迷惑かけちゃだめだ」「もっとやらなきゃ」など、自分を責めてしまう考え方を手放してあげてください。
自分を大切にできてこそ、相手のことも大切にできるはず。まずは自分にやさしさを向ける練習からはじめましょう。
HSPに向いている仕事を見つけよう
HSPで仕事に悩む方は多いですが、長所を活かすことができれば大きな強みになります。また、自分に合った環境を選ぶことで、のびのびと才能を発揮することができます。
本ブログの内容が、「自分に合った仕事とは何か?」を見つめ直すきっかけになれば幸いです。