「何だか最近憂うつだな」
「肩こりや頭痛、めまいがする」
「疲れているのに夜なかなか寝れない」
これらの症状は脳疲労が原因かもしれません。脳疲労は、心身にさまざまな影響を及ぼすといわれています。
実は、繊細で刺激を受けやすいHSPは、脳疲労になりやすいといわれています。
今回の記事では、HSPと脳疲労の関係性や対策について解説します。
そもそも「脳疲労」とは?
脳疲労とは、脳に休息を与えずに酷使させた結果、機能が低下した状態です。
マラソンで走り続けたら足が動かなくなるのと同じように、脳も動かしすぎると疲れてパフォーマンスが下がってしまいます。
また、人間には「理性脳」「生存脳」「情動脳」の3つの脳があり、精密機械のように連携して生命活動を支えています。脳疲労がおきると、この3つの脳が正常に連携しなくなってしまい、心身にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
脳疲労とはどんな症状のこと?
脳が疲労すると自律神経が乱れます。すると以下のような症状が出ます。
- 寝つきが悪くなる
- 不安やだるさを感じる
- 肩こりや頭痛、めまいがおきる
- 胃の痛みや胸焼けを感じる
これらはほんの一例ですが、このように心身ともに不調が生じてしまいます。
脳疲労の主な原因とは?
脳疲労の主な原因は「ストレス」と「情報過多」。
今の社会は、ストレス社会ともいわれているように、仕事や家庭で知らず知らずのうちにストレスを抱えている人が増えています。
また、スマホが普及し、あらゆる情報がすぐに手に入る環境になりました。多くの情報が手に入るのは良い面もありますが、多すぎる情報を処理しきれず、それがストレスになる場合もあるのです。
過剰な情報は脳の処理機能を低下させ、機能不全に陥ってしまい、脳疲労につながる可能性があります。
脳疲労を放置しておくと生活はどうなるの?
脳が疲労すると食欲や睡眠のコントロールが難しくなり、体調不良になる可能性があります。脳疲労を長期間放置すると、肥満や生活習慣病を引き起こす恐れも。
また、自律神経はメンタルにも関係しており、うつ病の原因になる恐れもあります。
脳疲労に影響!? HSPの特徴
HSPとは「ハイリー・センシティブ・パーソン」の略称。敏感で繊細な気質は病気ではなく、生まれもった気質で約5人に1人が当てはまるといわれています。
HSPの特徴的な4つの性質「DOES」
HSPを提唱したアメリカの心理学者アーロン氏によると、以下の4つの特徴があります。
- 情報を深く考えて処理する(Depth of processing)
- 過剰に刺激を受けやすい(Overstimulated)
- 感情の反応が全体的に強く、共感力が特に高い(Emotionally reactiv and Empathy)
- わずかな刺激にも気づく(Sensitivity to Subtleties)
これらの頭文字をまとめて「DOES(ダズ)」と呼ばれています。
HSPを理解して生きづらさを解消するためには、これらの特徴的な気質の理解が大切です。
>>【徹底解説】HSPとは?特徴・診断方法・発達障害との違いなど【繊細なあなたへ】
「自分がHSPかどうかわからない」方は、以下からHSP診断ができるのでチェックしてみてください。
>>【5分でHSP診断】HSP気質か簡単セルフチェック!自分の繊細さがわかる
このようにHSPは、少しの刺激でも敏感に察知する気質をもっています。
また、1つの情報に対して深く考えて処理するので、多すぎる情報の処理が追い付かず、ストレスにつながることもあります。
ここからは、なぜHSPが脳疲労になりやすいのか、具体的に見ていきましょう。
HSPが脳疲労になりやすい原因
HSPが脳疲労になりやすい原因は、先に説明したようにHSPの気質が大きく関係していると考えられます。
特にHSPは刺激を敏感に感じとってしまう気質です。無意識のうちに多くの情報をキャッチして、その刺激を脳で処理しています。
- 敏感で感受性が強く常に多くの情報が頭に入り込む
- 受け取った情報を深く考えて処理する
- 何かを考えている時間が長い。
上記のように、HSPは非HSPよりも脳の活動が多く、脳疲労になりやすいのです。
自律神経の働きの影響
自律神経は自分の意思とは関係なく、生命維持に必要不可欠な機能をコントロールする役目があります。
しかし、何かのきっかけで自律神経のバランスを崩すと臓器やメンタルの不調、不眠などさまざまな症状が現れてしまいます。
脳と自律神経には密接な関係があり、脳に疲労が蓄積すると、自律神経のコントロールが上手くいかなくなってしまいます。
健康に暮らすためには、脳疲労をケアして自律神経を整えることが必要不可欠です。
脳疲労にはスマホの使い過ぎも影響!?
スマホから得られる情報でも脳は疲労します。仕事の休憩時間や就寝前など、ちょっとした隙間時間にスマホを見てリラックスする方も多いのではないでしょうか。
スマホを見る時間は脳を休ませているようでいて、実は脳を働かせています。
常にスマホを持ち歩いている方は、無意識に脳を疲労させていないかの注意が必要です。
HSPが脳疲労を回復するために心がけたい7つのポイント
疲れやすい気質をもっているHSP。脳疲労を防ぐ、あるいは回復するためにはどのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。
①良質な睡眠をとる
良質な睡眠は脳疲労を癒すのに最適です。
良質な睡眠時間をとる方法
- 適度に運動する
- 就寝3時間前から食事を控える
- 生活サイクルを整え決まった時間に就寝する。
上記のような睡眠に最適な環境で、充分な睡眠時間を取れるように日頃から調整しましょう。
②何も考えずボーッとする時間をつくる
HSPは日頃から何かを考え込む傾向があります。いつも何かを考えていては脳が休息できません。何も考えない時間を確保して脳を休めましょう。
ボーッとする時間の作り方
- 呼吸のみに集中してみる
- マインドフルネスをする
- 行き先を決めずに散歩してみる
③音楽を聴く
音楽を聴くと脳がリラックスした状態になり、ストレスを減らす効果があります。好きな歌謡曲やヒーリングミュージック、流行りの洋楽なども効果的です。
もこもこYouTubeでは、HSPの方がリラックスできるヒーリングミュージックをアップロードしています。
【Playlist】
支度中に聞きたいお洒落BGM
【Playlist】
朝に聴きたい音楽
④簡単なツボ押し
頭部にはいくつかの筋肉があり、各筋肉上のツボを刺激するとコリがほぐれてリフレッシュできます。
脳疲労に効果的なツボは、側頭部の耳のとがった部分(角孫)や、後頭部と首のつなぎ目(天柱)など複数あります。
⑤目の疲れをとる
目の疲労は脳に直接ダメージを与えてしまうため、脳疲労に直結します。
デスクワークやゲームで眼が疲れてしまったら下記のような対策で目をリフレッシュさせましょう。
- ホットアイマスクをつけて眠る
- まばたきを多くする
- 目薬をさす
⑥不安やストレスを吐き出す
HSPは物事を深く考え込む性質から、悩みが頭の中でループしてしまう方が多いです。
このような反芻(はんすう)思考に陥ってしまったら、信頼できる友人や家族に相談することをおすすめします。
話していると脳内が少しずつ整理されてストレスが解消されます。
⑦場所を変える/1人になる
自然体でリラックスできるような場所に行くのも効果的です。
感受性の高いHSPは心地よい雰囲気も繊細に感じ取り、リフレッシュできます。
- おしゃれなカフェ
- 自然豊かな公園
- 美術館や博物館
- 岩盤浴や温泉
- 図書館
上記のような、リフレッシュできる環境に行ってみることをおすすめします。
まとめ:敏感で繊細なHSPだからこそ脳の疲れをとる習慣を意識しよう!
敏感で繊細な性質から、HSPは脳疲労になりやすいといえます。疲れを溜め込まず、フレッシュな頭でいられるように、日頃から意識して脳をケアしましょう。
まずは、紹介した「脳疲労を回復するための7つのポイント」を試して、自分に向いている方法を見つけることをおすすめします。
この記事があなたの疲れを癒すきっかけになれば幸いです。