五感が敏感なHSPには、生活音や大きな音など「音」に関する悩みを抱えている方もいます。
「音に敏感で作業に集中できない」
「音が気になって眠れない」
「音が苦手なのはHSP気質に関係ある?」
今回は、上記のような悩みをお持ちの方へ、HSPが音が苦手な理由や苦手な音の例、対処法などを紹介します。
HSPが音が苦手な理由
まずはHSPが音が苦手な理由を説明します。理由が分からないと「自分だけがおかしいのかな」と不安になりますよね。理由を知ることは自己理解にもつながるはずです。
HSP気質とは
HSPとは「ハイリー・センシティブ・パーソン」の略称。敏感で繊細な気質は病気ではなく、生まれもった気質で約5人に1人が当てはまるといわれています。
HSPを提唱したアメリカの心理学者アーロン氏によると、以下の4つの特徴があります。
- 情報を深く考えて処理する
- 過剰に刺激を受けやすい
- 感情の反応が全体的に強く、共感力が特に高い
- わずかな刺激にも気づく
たとえば人一倍疲れやすかったり、近くで誰かが怒られているとまるで自分が怒られているようにつらくなったり。また、美術や音楽に深く心が動かされやすいなど、人の気持ちを理解できる素敵な面もあります。
>>【徹底解説】HSPとは?特徴・診断方法・発達障害との違いなど【繊細なあなたへ】
「自分がHSPかどうかわからない」方は、以下からHSP診断ができるのでチェックしてみてください。
>>【5分でHSP診断】HSP気質か簡単セルフチェック!自分の繊細さがわかる
HSPが音が苦手な理由はこの気質に関係があります。詳しく見ていきましょう。
HSPが音が苦手な理由
HSPが音が苦手な理由は、上記のHSPの特徴のうち「わずかな刺激にも気づく」という気質に関係があります。
わずかな刺激とは、音や光、匂い、肌ざわりなどの五感に関する情報も含みます。HSPはこの「五感」が鋭い傾向にあるため、些細な音が気になってしまい、消耗してしまうことがあるのです。
たとえば人混みでの騒音にストレスを感じたり、時計の音や冷蔵庫などの生活音が気になり眠れなかったり。くしゃみやドアを閉めた音など突然の音にびっくりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
音ひとつひとつを敏感にキャッチして反応してしまうことが、ストレスにつながってしまうわけです。
HSPが苦手な音あるある
電化製品や家具などの生活音
電化製品や家具などの生活音が気になって悩む方もいます。
「時計の針の音がストレスで眠れない」
「冷蔵庫の些細な音が気になって集中できない」
HSPはこんな悩みを持ちがち。
- 蛍光灯の音
- 冷蔵庫の音
- 時計の秒針の音
- 突然の電話の着信音
- 物を強く机に置かれたときの音
非HSPの人にとってはなんでもないような音でも、気になってストレスに感じてしまうことがあります。
突然聞こえてくる音
突然の音にびっくりして、周りから「大袈裟だ」と言われたことがある方もいるかもしれません。以下のような音にビクっとしてしまうのもHSPあるあるのひとつ。
- クラクションの音
- 電車の発車ベル
- 怒鳴り声
- 何かが割れる音
- いきなりのインターホン
外出時に聞こえてくる音
外出時も周囲の音が気になってストレスを感じてしまうことが。
- 車の走行音
- サイレン音
- 工事現場の音
- 人混みでの騒音
- 人のくちゃくちゃ食べる音
こうした音が気になることから、人混みなどの人が多い空間も苦手です。たとえば通勤電車はヒソヒソ音や電車の音、さらにいろんな香りが混じったニオイなど刺激が多く、HSPには苦手な空間です。
大きな音
突然の音だけでなく、大きな音もびっくりしてしまう音のひとつ。
- どでかいくしゃみの音
- 打ち上げ花火の音
- ドアを強く閉じられたときの音
- 映画館の大音量
- 人の大きな話声
大きな音にドキドキして面を食らってしまうことがあるかもしれません。「大きな効果音が嫌で映画館が昔から苦手」という方もいるようです。
HSPの音への対処法
では、こうした音への苦手意識にはどう対処していけばよいのでしょうか。おすすめの方法をお伝えしますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
人の少ない時間や場所を選ぶ
先ほどお話しした通り、人混みは音以外にも刺激が多くHSPにとっては大敵。人混みが苦手な方におすすめなのが、人の少ない時間や場所を選ぶことです。
具体的には、以下の中で取り入れられそうなことを実践してみましょう。
- 朝いつもより早く家を出て空いている電車に乗る
- 移動手段を変える
- 買い物は人の少ない時間や場所を選ぶ
- ネットショッピングを利用する
- 大通りではなく他の道を歩いてみる
また、音が苦手なHSPには住む場所も大切。すぐに引っ越しは難しいかもしれませんが、次に住む場所を選ぶときは繁華街や大通りから離れた静かな場所を選んでみてください。外の音に悩まされる機会が減るはずです。
音以外に集中する
音以外に集中する練習を取り入れてみるのもおすすめです。音以外の感覚に神経を集中させることで、音以外に意識が向くようにします。
たとえばパソコンで仕事をしているときはキーボードを触っている感覚に意識を集中させたり、勉強中にはペンや紙の感覚に集中してみたり。
こうした方法を取り入れることで音から気が紛れて目の前の作業に集中しやすくなります。
音が気にならないグッズを使う
集中できないと感じたらグッズに頼るのもひとつの手。音を遮断するグッズは、たとえば以下があります。
- ノイズキャンセリングイヤホン
- 耳栓
- 防音シート
グッズについては次の見出し内で詳しく説明します。
また、紙製のコップやお皿を使うことで食器音を防いだり、壁際に本棚やタンスなどを置いて隣の部屋からの音を防ぐという手段もあります。
家の中の状況や自分の体調によってこれらを併用したり使い分けたりするとよいでしょう。
家族や周りの人へ伝える
どんなに自分で工夫をしても家族や周りからの音は防ぎきれません。そこで、周囲の人に自分が苦手な音を話して協力してもらうのも方法のひとつです。
「大きい声がするとびっくりしてしまうんだ」「テレビの音を少しだけ下げてもらえると嬉しいな」など、具体的に伝えてみましょう。
他にも配慮してもらえそうな点をあげておきます。
- うるさくならない席に移動させてもらう
- テレビや動画の音量を下げてもらう
- 大声で突然話しかけることを避けてもらう
- 食器音や扉の開閉音に気をつけてもらう
こうした少しの配慮によってストレスが減るはず。勇気がいることかもしれませんが、まずは少しずつでも伝えてみると周りからの理解が得られるのではないでしょうか。
音が気になるHSPへおすすめのグッズ
最後に、音が気になるHSPへおすすめのグッズを紹介します。
ノイズキャンセリングイヤホン
周りの騒音を低減させて音楽に没頭できるノイズキャンセリングイヤホンは、音に敏感なHSPにとって嬉しいアイテムです。
おすすめのノイズキャンセリングイヤホンをまとめたので、気になったものがあれば商品ページもぜひチェックしてみてください。
Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro from.Soundcore
Amazon売れ筋ランキング1位を獲得したシリーズのノイズキャンセリング搭載モデル。屋外モード・交通機関モード・屋内モードの3つのモードをアプリで切り替えることができ、シーンに合わせて最適な強さのノイズキャンセリングで音楽を楽しめます。
イヤホンをつけたまま外部の音の取り込みができる「外音取り込み機能」は外で使うときに便利です。
価格・機能ともにバランスが良くコストパフォーマンスに優れたイヤホンです。
>>Anker Soundcore Liberty Air 2 Proの詳細をチェック
AirPods Pro from.Apple
言わずと知れたAppleの有名なイヤホン。世界で一番売れているイヤホンでもあります。Apple製品と相性が良く、ペアリング機能が優れています。耳につけるとiPhoneに自動接続され、外すと音楽を自動停止してくれます。また、通話の際もiPhoneを操作しなくてもハンズフリーで通話が可能です。
ノイズキャンセリング機能は、外部の音がほとんど聞こえず外で使うには危険なほどの機能性の高さ。外での使用時には外部音取り込みモードを使うなど十分気をつけてくださいね。
Appleユーザーには特におすすめのイヤホンです。
WF-1000XM4 from.SONY
音質の良さが魅力のSONYのイヤホン。LDACという技術によって、Bluetooth接続ながらハイレゾ相当の高音質で音楽が楽しめます。ノイズキャンセリング機能も高く、外部の音がほぼ完全に遮断されるぐらいの機能性を持っています。
また、快適なつけ心地もおすすめなポイント。SONYが持つ各国の耳形状のデータを活用し、個々の耳の形に寄り添い、イヤホン本体を耳の中の接触面で支える方法を実現しています。
音質にこだわりたい人に特におすすめです。
耳栓
手軽に取り入れやすい対策グッズが耳栓。100円ショップにも売っているぐらいなので誰でも手頃な価格で手に入れやすいですね。
ノイズキャンセリングイヤホンほどの音の遮断は期待できないかもしれませんが、音を遮断するための手段の第一歩としてまず取り入れてみるのもおすすめです。
防音シート
部屋にいるときに外の車や人などの音が気になる方におすすめなのが防音シート。壁や窓に張ることで音を防げます。
防音シートがハードルが高く感じる方は、分厚いカーテンを使うことも防音につながります。
まとめ
HSPは刺激に敏感なことから音に関する悩みを抱えやすいです。
しかし、五感が優れているからこそ気づける幸せもたくさん。小鳥のさえずりや花の香り、四季の匂いなど些細なことにも感動しやすいでしょう。
今回紹介した対策方法やおすすめグッズを使って、あなたの音の悩みが軽減されますように。